管理費は霊園側に毎年支払う


管理費は霊園側に毎年支払うブログ:15年08月26日


あれはボクが小学3年生の秋、
窓を閉めて寝る季節のことだった…

母親は晩9時から10時の間に自分の部屋にこもり、
「決して襖を開けてはいけない」と言った。
ボクはそれに従った。

だけど、それにしても、
一体、母親は何をしているのか?
なぜボクは見てはいけないのか?
何か秘密でもあるの?…
そのうちだんだん妙な疑惑と不安がのしかかってきた。

もしかして、
母親は「鶴の恩返し」に出てくる鶴ではないか?
隠れて織物を織っているのではないか?

実は「雪女」で、襖を開けたら、
真っ白の風にくるまれ、消えていくのではないか?
ボクは、そんな化け物から生まれたのか?

怖いやん…めちゃ怖くて、泣きそうやん…

こんな秘密を持つなんて、
きっと母親はボクが嫌いなんだ、
実の女の子じゃないからだ。

ボクはなんてかわいそうな女の子だ。
…泣きたくなって、襖を開けてしまった。

すると、母親はなんと腹筋トレーニングの真っ最中!

「こら、開けたらあかんて言うたやん」
もうすぐトレーニング会で、
母親は、競争に勝つために特訓中なのだった。

「あんたがおったら集中でけへんから、ひとりでやりたかったのに〜、
もうええわ。やめよっ!」
と、食卓に来てお茶を飲んだ。

そこで、べたべたとくっつく、
しけたしょうゆのあられを一つずつ5本の指先につけ、
指をなめずに食べた…
これ、母親とボクのお気に入りの食べ方。

「いつものことやけど、こうして食べたら、おいしいなぁ〜」
と笑う母親。

で、ボクは5本の指を寄せて、
5つのおかきを同時にくちに入れるという技を極め、
母親の絶賛と大笑いを得たのだった。

こんなことで絶賛してくれるのは実の親以外あり得ない。
間違いなくボクは母親の子供だ!
すごく嬉しくて、そして、涙がとてもしょっぱかった。

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